リンクス高麗川 LINKS KOMAGAWA

埼玉県西部を流れる高麗川の真の再生を夢見る人たちの集い

高麗川まるごと再生プロジェクトについての議会報告

平成27年日高市議会九月定例会 一般質問の報告 日高市議会議員 田中まどか


 9月16日、高麗川まるごと再生プロジェクトについての一般質問を終えた。
関心の高さを示すように傍聴席は満席。リンクスのメンバーだけでなく、川のことを考えている市民、そしてプロジェクトに関係する地区の区長さんの顔も見えた。
 
 まず、一つ目の疑問をぶつける。


質問 平成24年6月19日の市議会一般質問の議事録によると、県のプロジェクトへの応募を促すある議員の質問に対し、「7月5日の締切までに応募要件にかなう提案を整えることは困難」と答えている。にもかかわらず計画は提案され、公開プレゼンテーションを経て採択され、今に至っている。6月19日から7月5日のわずか16日間での転換。その経緯は。
 
市民生活部長答弁 川のまるごと再生プロジェクトの要件である上流から下流までの計画は難しいが、巾着田周辺のみであれば提案できると考え、産業振興課と巾着田管理協議会で計画を作った。市役所内では市長、副市長、部長級幹部、環境課、建設課による協議が行われたが、異議は出なかった。
 
質問 では、採択時(平成25年3月27日)は巾着田周辺だけだった計画が、今や断続的に坂戸市境まで続く大規模な遊歩道計画になっているのはなぜか。
 
答弁 「川に着目したハイキングコースの設定」を実現するため、市が発案し、県と協議した後、8月23日の市部会(※)に提案した。
 
 つまり、当初約1,000万、魚道整備を含めても3,500万円ほどだった事業費が、5か月後には総額約3億円にまで膨らんだことになる。(田中調べ)
 計画変更については、県から「市部会で議論していただければよい」と言われていたそうだが、これでは最初の審査やプレゼンは何の意味もないではないか!そして、事業費については「県の所管なのでお答えできない」と言い張る。いったい誰がどこで計画を進めているのか。誰がやりたい計画なのか。どこに決定権や責任があるのか。まるで新国立競技場のような話になってきた。
 
 二つ目の疑問を投げる。


質問 計画が採択されてから3年間、一度も公報ひだかやホームページで市民に知らせていない。沿川住民への説明もなかった。多くの住民が寝耳に水だ。なぜ周知してこなかったのか。
 
答弁 市民まつりなどのイベントで特設ブースを設けてPRしてきた。市議会へも報告した。区長からの要望を受け、3地区で説明会を行った。希望する方には個別に説明した。現地での説明もした。
 
 しかし、本当は市は説明会を開くつもりはなかったのだ。第7回市部会(今年7月6日)で複数の区長から「このまま工事が始まってしまうと住民に説明ができない」という意見が出て、今年7月末~8月頭にしぶしぶ開いたのだ。そうやって開いた3か所の説明会では、反対意見も多く、とくに周知してこなかったことへの批判が集中した。
 現地での説明も住民側が申し入れたものだし、8月27日の専門家、県と市の担当者を交えての川歩きもリンクスが企画したものだ。市や県は周知活動についてなんら積極的に動いていない。それを、説明機会はたくさん設けたように答弁にするのはあまりにもちゃっかりしてないか。
 
質問 同じようにプロジェクトを進めているときがわ町坂戸市は、公報、HPはもちろん、フェイスブックや大学の広報誌も活用して周知に努めている。日高市はなぜできないのか。
市が県に提出した成果指標設定調書には、「目標達成のための具体的な方策」の欄に「市ホームページに事業の進捗状況を公表し広く周知する」とあるが、これが全く成されていないのは県との約束違反ではないのか。
 
答弁 約束違反との認識はないし、県からの指摘も受けていない。
公報やホームページには計画が確定してから掲載する。
 
質問 市部会メンバーの区長から各区住民に知らせるという確認は市部会のなかでしていないのか。情報を住民におろさなければ住民代表とは言えないのではないか。
 
答弁 確認はしていないが、資料を回覧したり、役員会などで話していだだいていると聞いている。
 
質問 次の市部会に説明と対話を求めている団体(リンクス)を参加させることはできないか。
 
答弁 市部会構成員として合致するかどうか、市部会設置要領に基づき検討する。
 
 あくまで「市民には決まったことしか知らせない」という市の姿勢には、情報公開と市民参画の視点が決定的に欠けている。市民参加を進めているといっても、いつも参加を求めるのは区長や団体の長や議員など「特定の市民」なのだ。いつまでこんな運営を続けるつもりなのだろうか。地方は地方の頭で考えなければいけない時代になっている。これまでの流儀は通用しない。多様な市民を巻き込まなければこれからの行政運営は立ち行かない。
 とくに自然相手のことは、何代も先のことを考えるか、今の自然を活用して活性化につなげるかでまったくちがう方向性になるが、その違いに行政も市民もきちんと向き合わなければ、環境にも、まちづくりにも、住民感情にも取り返しのつかない禍根をのこすことになる。それはほんとうに「めんどくさい」作業だけれど、その作業を端折ることこそが決定的な瑕疵だと私は思う。
 
質問 市は、「協働のまちづくり」について、市政運営に市民の意見を取り入れ、活かさなければならない、そのためには情報公開を徹底するとホームページに載せている。川のプロジェクトにおいてもこれを実践すべきでは。
 
市長答弁 市民との対話を通じて共通の目的を達成していきたいと思っている。川の再生についてはいろいろ言いたいこともあるでしょうが、要望意見も取り入れて進めている事業なのでご理解いただきたい。
 
 理解を求める相手は私ではなく、当事者となっている住民、真実を知りたい市民に対してだろう。震災後の東北のがれき受けいれの時もそうだったが、合意が難しい事例ほど、丁寧な説明が肝心だ。そして市長の姿勢が全体に影響する。
 
 6月、工事の話を聞きつけて驚いたTさんが市役所に駆け込み、そのあと私に連絡をしてきたとき、まさかこんな大ごとになるとはTさんも私も思っていなかった。反対するつもりもなかった。ただ、どんな工事なのか説明してほしかっただけだった。
 しかし計画の内容を知れば知るほど、このまま進めてはいけない!と思うようになった。川の流れまで重機で変えてしまう工事。全長約1600メートルのコンクリの遊歩道。川の環境は壊れないのか?そもそも必要な工事なのか?
 Tさんはできる限りの情報を集め、ご近所、友人、古くからの知り合いに声をかけた。それが「リンクス高麗川」の始まり。この人間関係の濃い土地で、お上や長老たちが決めたことに異を唱えるのは勇気がいる。遊歩道は要らないが、同時に護岸工事をやってもらえるなら賛成だという人も多い。どうしても住民どうしの対立になってしまう。それは避けたい。でもそれを恐れていては次世代、子孫に要らないもの、環境によくないものを残すことになるのではないのか?リンクスのメンバーの中でも揺れがある。
 
 私は議員だから、「おかしいものはおかしい」言い続けなければいけない立場だ。でもどんな結果になってもそこに住み続けなければならない人にとっては、追求だけが道ではない。納得できる妥協点見つけることが最良の選択になる場合もある。苦しい選択だ。
 
 問題は着工が迫っていること。県もどうするつもりだろうか。そしてリンクスは??
自分たちの生活をみつめつつ、子どもたちの未来や生き物や自然環境のことをしっかりと考えて行動しなければならない。時間がないが、ここは正念場。じっくりと考えなければ

 

 

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